先日のブログ、「同じ方向に向かう」の中でふれた「自分をさらけ出す勇気」について、私なりの解釈を書きたいと思います。
リーダシップを語る時に出てくる「ヴァルネラビリティ(Volnerability)」。
ネットで意味を検索すると…
リーダーのヴァルネラビリティとは、リーダーが自身の「心の弱さ」や「傷つきやすさ」をチームやメンバーに見せる勇気のことです。これは自信の欠如や悲観的な態度ではなく、むしろ自身の内面をオープンにすることで、チームメンバーとの信頼関係を築き、共感やつながりを深め、心理的安全性の高いチームを作り出すリーダーシップのあり方です。
と出てきます。
この「心の弱さ」や「傷つきやすさ」を見せる勇気からチームメンバーとの信頼関係を築き共感やつながりを深めるについて考えると、思い出すエピソードがあります。

それは、私がまだ30代で某広告代理店のクリエイティブにいた時の事です。
ある大物タレントの撮影現場での事。そのタレントに用意された衣装は、少し奇抜なモノでした。その衣装に激怒したタレントは「誰だ!こんな衣装を考えたやつは!」と怒鳴り始めました。現場は一瞬で凍りつき、皆動けなくなってしまいました。現場には、クライアントも見にきていましたし、大勢の現場スタッフ、スタジオ、タレントのスケジュール、納期、予算、諸々を検討した上でこの日に撮影しなければ大変な事になる、そんな場でした。
この衣装については、きちんとした手順を踏んで、タレント事務所にもクライアントにも了承を得て撮影に入ったモノです。タレント本人が、納得していなかったのかも知れません。何があったかは追求しても仕方がなく、怒っているタレントに対してどうするのがベターなのか、そんな状況です。
その時、この現場をまとめるクリエイティブディレクターがタレントの前に飛び出し、「すみません!俺が考えました!」と土下座をしました。誰だ!?と問われたので、素直に自分だと答えた形です。
誰しも、その場が怒りで凍りついている時、素直に自分だと名乗り出る事、自分の弱さを携えながら前に進み出るのは、本当の勇気だと思うのです。
クリエイティブディレクターが素直に名乗り出たことで、タレントが聴く姿勢に入り、彼はその衣装の意図を丁寧に説明しタレントの納得を得る事ができました。このことで、現場は動き始め、無事撮影は終了するのですが、現場の結束は深まりクライアントからの信頼を得るに至ります。
映画やドラマの中では、広告代理店の人たちは普通に土下座するでしょって思うかも知れませんが、そんなことはありません。あれは、作り物です。
クリエイティブディレクターは自分の失態と受け止めて、土下座という屈辱的とも捉えられる行動で、自らが場を収める渦中に飛び込んでいったのです。かっこ悪いとか無様とかそんな事もきっと飛び越えて、咄嗟にとった行動は、まさに「ヴァルネラビリティ」と呼べるのでは?と思っています。
本来、クリエイティブディレクターは、現場の映像監督と共に、クリエイティブ全体の責任者であり取りまとめ、プロジェクトが成功するようにクライアントと現場をつなぐ重要な役割です。簡単にいうと、プロジェクトの一番偉い人ということになります。そんな人が土下座を厭わず、飛び出すのは余程の事です。
この話をコーチ仲間とした時、ヴァルネラビリティとは「何だか、アニメのヒーローみたいだな。例えばワンピースのルフィのような」という話が出ました。私としては、ヒロアカ(ヒーローアカデミア)のデク、緑谷少年のようだと思っています。
自分の弱さを携えて、その弱さを知った上で仲間と進み、自分を成長させていく。その姿勢は、仲間に影響を与え、仲間の中でも中心となり推進力となっていく。
そんなイメージ。
私もヴァルネラビリティを心に持って、さまざまなことに挑戦したいと思っています。そう簡単なことでは無いですが。だって、怖いもの。心の鎧を脱いで向かっていくのは、本当に勇気が必要。でも、そんな人になりたい。
この話から、あなたはどんなことを汲み取りましたか?

